学会について

理事長挨拶

北山俊哉先生の後任として日本行政学会理事長を務めることになりました原田です。理事長就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。

日本行政学会は1950年に創設された、政治学系の学会では日本政治学会に次ぐ長い歴史を有する学会です。発足当初からの本学会の特徴は、「内外の行政に関する研究」(日本行政学会規約第1条)を行うにあたり行政実務と密接に連携してきたことです。実務経験のある会員が理事長をお務めになったこともありますし、現在でも多くの会員が霞が関や地方自治体の審議会等の委員として活躍なさっています。そのため、研究会の共通論題では、行政実務に関係するテーマがしばしば設定されてきました。本学会のもう一つの特徴は、地方自治への関心が非常に高いことです。例えば、本学会の編集による初めての出版物である『行政研究叢書1』(1957年)のタイトルは「地方自治の区域」です。Large-Nのデータを収集しやすい地方自治への関心は、世代を超えて広がっています。

これらの特徴を有する本学会は、行政に関する理論知と実践知を全国へ遍く広げる結節点としての役割を果たしてきました。この役割は、各会員が定期的に集い、研究空間を共有することによってよりよく発揮されるはずです。ところが、2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大により、本学会の総会・研究会は3年連続でオンライン開催を余儀なくされました。私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大が日本の行政にもたらした影響をどのように捉えるのかという研究上の課題のみならず、自らの研究の基盤である本学会の活動をコロナ禍でどのように維持し、発展させるかという組織的な課題にも直面しています。

そこで、これからの二年間は、上述した結節点としての機能を回復すべく対面による総会・研究会の実施可能性を探りたいと存じます。他方で、総会・研究会のオンライン化によって、海外や遠隔地にお住まいの会員、育児・介護に向き合っている会員、そしてしょうがいのある会員による総会・研究会参加の障壁が下がりました。今後の研究交流を進めるにあたっては、この貴重な経験を生かしていきたいと存じます。さらには、北山理事長時代に構築された新しい学会ウェブサイトやオンライン会費納入システムを活用し、スマートでホワイトな事務局運営を行いたいと存じます。

会員の皆様におかれましては、本学会が置かれた現状をご賢察の上、本学会のさらなる発展にご協力くださると幸いに存じます。

2022年6月 原田 久

日本行政学会のあゆみ

1950年11月大阪中之島公会堂において創立総会開催(蝋山政道理事長を選出)。事務局は東京大学におく〔1970年まで〕。
1957~1968『行政研究叢書』1~7(勁草書房)刊行。
1962~1973『年報行政研究』1~10(勁草書房)刊行。
1975~現在『年報行政研究』11以降(ぎょうせい)刊行。
1970事務局が成蹊大学(担当理事 佐藤 竺)に移る。以後、事務局担当理事の所属大学に事務局が置かれる。
1975総会・研究会の開催についてのアンケート調査実施。
1978春、秋二度開催されていた総会、研究会が春1回(総会・研究会)に統一される。
1985小研究会が二つ設置される。
1987全体研究会と小研究会の方式から全体研究会と4分科会の方式に移行。
「行政学教育に関するアンケート調査」(『年報行政研究26』所収)。
1992企画年報委員会が企画委員会、年報委員会に分かれる。
1994『年報行政研究29』より、公募による論文掲載の開始。
19974年計画で日韓行政学会交流始まる(金晩基韓国行政学会理事長を含む5人の訪問団来日)(於 島根大学)。
1999渉外委員会を国際交流委員会に改名。
日本行政学会ホームページ開設(wwwsoc.nacsis.ac.jp/jaspa/)。
『年報行政研究35』より、公募による「研究ノート」掲載の開始。
2000日本行政学会創立50周年記念大会(総会・研究会)(於 明治大学)。
2006研究会(分科会)に、公募企画を開始。
2010日本行政学会創立60周年記念シンポジウム・記念共通論題開催(総会・研究会)(於 日本大学)。
「行政学教育に関するアンケート調査」(『年報行政研究46』所収)。
2011日本行政学会、新ホームページURLへ移転(www.js-pa.org/)。
2019研究会の形態(報告者、時間枠等)を改革。
2020コロナ禍により研究会の開催をオンライン形式に変更して実施。
2021コロナ禍の継続によりリアルタイム・オンラインでの研究会を開催。
2022ホームページをセキュリティ強化のためリニューアル(https://www.js-pa.org/)。
会員管理システムSMOOSY導入。

規約・内規

国際交流(MOU)

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