理事長挨拶

日本行政学会 理事長
城山英明

2018年から2020年において、理事長を務めさせていただくことになりました城山です。理事長就任にあたり、一言ご挨拶させてだきます。

日本行政学会は1950年11月に創設され、既に68年の歴史を有しています。この学会の1つの大きな特徴は、研究者と実務家がともに参画する形での学会運営を行ってきたことだと思います。近年では、研究における社会連携の重要性や社会的アウトリーチの重要性は広く指摘されていますが、発足当初からそのような運営を行ってきたのは大きな特徴ではないでしょうか。行政の現場の課題を論理的に明示化するとともに、そのような課題に対して様々な研究を通して示唆を提供するという相互作用は、今後ますます必要とされていると思います。他方、このような現場と研究のフィードバックループを固定的な狭いコミュニティの中に閉じ込めてしまっては、学会としての活性を維持することができません。研究として面白い課題を発掘し、それらを学会員相互で密に議論することを通して、一定の共通理解やさらなる新たな課題発見につながっていくプロセスを構築していくことが重要だと思います。

新たな課題を発掘していくためには、いろいろなやり方があるでしょうが、隣接分野との交流もその1つの方法でしょう。一般的な行政学とは別に、対象分野を限定した行政に関する研究が教育行政学、公衆衛生学、都市計画学、林政学等においてなされてきました。また、法社会学や政治史学においても行政は対象とされてきました。これらの隣接分野との意識的交流は新たな課題を発見するプロセスになりうると思います。また、国際交流も新たな課題を発掘していくための1つの方法だと思います。国際的な幅広い文脈に置くことは、日本の行政の新たな課題を発見する契機となるとともに、日本の経験に関するより幅広い関心者を確保する機会にもなります。特にアジア諸国においても様々な行政実践が積み重ねられつつあり、これらを対象とする研究との交流も有用であると思います。

このような新たな興味深い課題発掘と研究成果の共有のための場をどのように作っていくのか、また、研究と現場の相互作用のプロセスをどのように作っていくのということが学会運営のコアであり、また、原点でもあるとも考えています。会員の皆様におかれましても、このような場やプロセスにより積極的にご参加いただき、コミュニティの活性化のためにご協力いただくことを切にお願いする次第です。何卒、宜しくお願い申し上げます。

2018年10月

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